「公共ビジネスの着眼点」 環境省が新たなポイント事業を構想しています

 環境省「グリーンライフ・ポイント」導入へ
https://news.yahoo.co.jp/articles/64d0d701d465dc42cd68b209e55cfb460e7a769e

 記事によると、この「グリーンライフ・ポイント」は、環境に配慮した商品を購入したり、販売期限間近の食品を購入したり、プラスチック製のスプーンの受け取りを拒否したりするなど、消費者が環境に配慮した消費行動の選択をした際に受け取れるポイントだそうです。ポイントはスーパーやコンビニ、家電量販店などの既存のポイントサービスに上乗せする形で発行され、それぞれの店の買い物で使えるようになるとのこと。

 省庁主導のポイント事業といえば、古くは家電エコポイント事業が知られています。2009年5月より導入され、2011年3月までの期間で終了。ポイントの使用は購入期間のちょうど1年後まで可能、という形でした。
 こちらは地球温暖化対策や経済の活性化、および地上デジタル対応テレビの普及を図る目的で発行されたもので、グリーン家電を購入した場合にさまざまな商品・サービスと交換可能な「家電エコポイント」が取得できる、というものです。麻生内閣時に実施されたもので、経済的な背景としては直前のリーマンショック後の景気対策、という一面がありました。
 その後も「エコアクションポイント事業」「マイナポイント事業」等々、ポイント事業は景気対策のみならず、行動変容を促すための政策手段としても重宝されてきました。

 公共ビジネスに携わる立場からすると、この手の事業が行われる際には、実行のスキームがどのようになるかに着目します。つまり、中央省庁が直接予算を執行するのか、それとも地方自治体等へ予算を配分するのかといったところです。
 この辺りについては、8月31日に公開された環境省の概算要求から多少読み取ることができます。

食とくらしの「グリーンライフポイント」推進事業(環境省の概算要求資料より)
http://www.env.go.jp/guide/budget/r04/r04juten-sesakushu/1-1_12.pdf

 この資料の段階ではまだ曖昧なところが多く、今後詳細が明らかになってくると思います。とりあえず、今回の「グリーンライフ・ポイント」は企業や地域等が国民の参加を募って環境配慮行動を促し、ポイントを付与するということ。そして、国は「必要な企画・開発・調整等の費用を補助する」という形になるようです。

 そうなると、企業や地域、国など、それぞれの単位で事務局業務や広報業務を委託することになるかと思います。過去の類似事例から見ると、複数年度にまたがる可能性も高いです。自社の業務が、それらの事業に食い込める可能性があるようならば、ぜひ今から積極的に情報収集や営業活動を行うべきでしょう。