「公共ビジネスの着眼点」 注目の大型政策「事業再構築補助金」が公募開始

2021年になってからも、新型コロナ禍において中小企業や個人事業主を対象とした数々の支援金・補助金が公募・給付されています。そんな中、注目の大型補助金の公募が3月26日、開始されました。申請受付の開始は4月15日(木)の予定です。

事業再構築補助金
https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/index.html
https://jigyou-saikouchiku.jp/

 こちらはポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための、企業の思い切った事業再構築を支援するための補助金です。要件を極めて簡単に記すならば、

1)コロナ禍により売り上げが減っている(コロナ前後の任意の3カ月の合計高を比較して10%以上の減少)
2)事業再構築指針に沿った新分野展開、業態転換、事業・業種転換等を行う
3)認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する

 この要件を満たすことで、最大1億円の補助金の給付を受けることができます。持続化給付金などこれまでの給付金・補助金と比べても、規模が大きいものと言えるでしょう。

 実は、この補助金は公募前から話題になっていました。運営事務局が政権に近いと言われる大手人材派遣会社に決まったことから「利益誘導ではないか」という声が上がっているのです。
 結論から言えば、そういった論はわかりやすくはありますが、少々乱暴であり、実態を捉えていないと思えます。

 その理由としては、補助金事務局の業務が遂行できる事業者自体が、極めて少ないことが挙げられます。補助金事務局の業務としては、
・システム構築、コールセンター、広報、といった複合的な業務、およびそれらを統括する業務
・交付要綱等、行政文書を読み解き、具体的な実務に落とし込むリテラシー
・上記を含めた膨大を実務をこなす企業としての体力

 これらのすべてが求められるため、そもそもその責を担うに足る企業が少ないのです。

 さらに、膨れ上がる工程を効率化し、一定のコスト内で納められるところとなると、必然的に似たような実績があり、コスト削減も可能になる大手企業数社に絞られます。
 そして、その数社がガチンコで企画競争をした結果が、今回の採択結果なのです。

 もちろん一方で、業務を分割し、より多くの企業が参入できるようにすべきではないかといったところは、再考の余地はあるのかもしれません。しかし、そこは大型業務のプロマネ機能に限界がある行政そのものの特性に起因する課題であって、そのロジックでこの事案単体を批判するのは無理筋だ、と言わざるを得ないでしょう。

 それはさておき、この補助金についてです。
 上記HPをご確認いただければわかるかと思いますが、かなり幅広い分野の事業者が対象になりえます。補助対象となる経費も、ハードからソフトまで非常に幅広いです。コロナ禍で苦しむ中小企業の事業主の皆さんは、ぜひ積極的に活用を検討してほしく思います。

 この補助金を有効活用することによって、コロナ禍の激変を生き抜き、大きく飛躍する中小企業が増えることを願ってやみません。