「公共ビジネスの着眼点」 2026年度新設の「特定生産性向上設備等投資促進税制」に注目
いよいよ令和8年度がスタートします。今回は、新年度に向けて、昨年末に発表された令和8年度税制改正大綱から「特定生産性向上設備等投資促進税制」についてお話したいと思います。
#経済産業省HP「令和8年度経済産業関係税制改正について(p.4)」
https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2026/pdf/03.pdf
○特定生産性向上設備等投資促進税制とは
かねてより国は、官民が連携した投資が行われる「投資立国」の取組みを進めており、2030年度135兆円、2040年度200兆円を目標に国内投資を加速していくことを目指しています。企業が国内投資を拡大することを通じて、日本企業の「稼ぐ力」を向上させ、賃上げを含めた好循環を形成していくことを狙いとしているようです。
そこで、特定生産性向上設備等投資促進税制では、建物や機械装置の取得といった設備投資を行った場合に、即時償却(100%特別償却)や税額控除(最大7%)といった税制上のメリットを受けることができます。
ただし、これらのメリットを受けるためには、事前に経済産業大臣による「投資計画の確認」を受ける必要があります。この投資計画は、設備導入による年平均の投資利益率が15%以上となるように策定する必要があるなど、作成にあたり経営に関する専門的な知識や書類の作成スキルが求められます。
この計画の作成支援は、経営計画の策定や書類作成を得意とする中小企業診断士にとって絶好の活躍の場となりそうです。また、ビジネス拡大に繋げるために、計画策定に留まらず、関係する様々な案件の獲得にも繋げていきたいところです。
例えば、既存の類似制度として、同じく取得設備の即時償却や税額控除のメリットがある「経営力向上計画」や、取得設備の固定資産税が軽減される「先端設備導入計画」の策定があります。これらもメリットの享受には監督官庁から投資計画の認定を受ける必要があり、計画策定支援の現場では多くの診断士が活躍しています。
これらの計画策定の案件は金融機関を通じて舞い込むことが多いです。大型投資案件は融資機会の拡大につながることから、設備投資を検討している企業に対し、税制活用への支援をフックに融資に繋げたいと金融機関は考えているからです。
そこで、診断士として、制度要件を正確に理解し、経営計画と整合した説得力ある投資計画を構築できるスキルを示すことで、金融機関の信頼を得て、別の案件の獲得に繋げていくことができるでしょう。
○補助金との併用ニーズも
また、特定生産性向上設備等投資促進税制に話を戻すと、この税制を活用するには、中小企業の場合、投資計画期間中に最低でも総額5億円の投資が必要となります。5億円もの金額は中小企業にとって非常に巨額の事業投資となりますので、補助金の活用による負担軽減のニーズもかなり大きくなると予測できます。
診断士としては、最大5億円までの補助が受けられる「中小企業成長加速化補助金」との併用など、税制活用だけに留まらない複眼的な支援制度の提案で企業の投資負担の軽減と自身のビジネスチャンスの拡大に繋げていきたいところです。
#中小機構「中小企業成長加速化補助金のご案内」
https://seisansei.smrj.go.jp/subsidy_info/growth_acceleration_subsidy.html
ここまで述べてきたように、新しい制度が誕生した際には、単体の活用提案にとどまらず、他の制度や関係機関との連携を含めた支援提案で、企業の最適な制度選択を後押しし、自身のビジネスも拡大していく視点を持つことが診断士にとって重要と言えるでしょう。
制度の正確な理解と実務的な計画策定力を磨き、政策動向をビジネスチャンスに変えていきたいところです。
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