「公共ビジネスの着眼点」 石破首相、地方創成交付金の倍増を目指す方針を表明。いまさら聞けない石破首相と地方創生の話
令和6年10月1日、自民党の石破茂総裁が内閣総理大臣に就任しました。
石破総理と言えば、かつて防衛庁長官や防衛大臣を務めるなど防衛の政策通として知られ、一部では「防衛オタク」とも呼ばれています。
そんな石破総理が、今回の総理就任記者会見で国防・安全保障と並んで強調したのが「地方創生」です。
#首相官邸 「石破内閣総理大臣記者会見(令和6年10月1日)」
https://www.kantei.go.jp/jp/102_ishiba/statement/2024/1001kaiken.html
石破総理は今回の総理就任にあたり、地方創生を「日本経済成長の起爆剤」と位置づけ、地方創生のための交付金について当初予算ベースで倍増することを目指す方針を示しました。
#日本経済新聞 2024.10/4付
「石破首相「地方こそ成長の主役」「交付金倍増」 所信表明」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA039RA0T01C24A0000000
地方創生のための国の取組みが強化されることは、今後の地域経済や企業経営にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
今回も公共ビジネスに関わる企業や、中小企業支援に携わる中小企業診断士が知っておきたい事項を「地方創生」を切り口にお話していきたいと思います。
〇そもそも地方創生とは何か
地方創生は、2014年9月に第2次安倍改造内閣において初めて発表されました。
当時から人口減少や都市部への過剰な人口集中が日本全体の問題となっており、この問題解決のために、地方自治体や民間企業、地域住民が主体的に取組みを考えて、国もこれを後押しすることで持続可能な日本社会の実現を目指そうと始まったのが地方創生です。
地方創生の取組みを進めていくため、内閣に「まち・ひと・しごと創生本部」が設置され、「地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする」、「地方への新しいひとの流れをつくる」など、4つの基本目標と2つの横断的目標に則って政策が進められています。
#内閣官房・内閣府総合サイト「地方創生」
https://www.chisou.go.jp/sousei/mahishi_index.html
〇地方創生と石破首相の関係とは
石破総理は、2014年9月に安倍政権下で初代地方創生担当大臣を務めました。上記の地方創生の取組みも担当大臣時代に石破総理が指揮を執って始めたものということですね。
石破総理自身が鳥取県の出身ということからも地方の活性化には並々ならぬ意気込みを持っていることが想像できます。
地方創生のために国が取り組む政策の一つとして、地方創生交付金があります。これも石破総理が担当大臣時代に創設したもので、今回、石破総理は「地方創生の再起動」と銘打って、当初予算ベースで1,000億円規模の地方創生交付金をさらに倍増させることを表明しました。
〇地方創生交付金とは
交付金とは、基本的に国から地方自治体に交付されるお金を指し、民間企業も対象になる補助金や助成金などと区別されます。地方創生交付金は、地方創生の実現のための地方自治体の取組みに対して国がお金を交付するものということですね。
地方自治体に直接交付される地方創生交付金は、民間企業には関係がないものなのかというとそんなことはありません。
地方自治体では、交付金を活用して様々な事業を予算化しており、公共ビジネスに関わる企業としては、自治体で予算化された事業の受託を受けることや、交付金を活用した補助制度を使って新たな設備投資を行うことで、間接的に地方創生交付金を活用することができると言えます。
しかし、各地域の「主体的な」取組みを国が後押しするという地方創生の趣旨のとおり、交付金の使い道は自治体によって多種多様です。
例えば、起業や移住・定住の促進、観光誘致・地域ブランドの強化、地域のデジタル化、人材育成・研究開発など、地域の実情に応じて様々な分野や産業に関わる施策が交付金を活用して実施されています。
〇地方創生交付金の倍増のチャンスをビジネスに活かしていくには
今回、石破総理が表明した地方創生交付金の倍増は、各自治体の施策を通じて、地方の中小企業の収益拡大につながる可能性が大いにあると言えそうです。さらに、お金の面以外にも、地方創生の取組みを通じた行政との関係構築が、別の公共ビジネス参入のチャンスにもなり得るかもしれません。
こうしたチャンスを捉えていくためには、まずは地方自治体が行っている現状の地方創生の取組みを理解するところから始めることがポイントになりそうです。
なぜなら、それぞれの地域の課題や強み、さらには自治体の既存の施策との親和性、首長の政策の方向性など、様々な要因を加味して交付金の使い道は決められていくからです。
これまでの延長戦上で施策を一層強化していくのか、または、これまでにない取組みにチャレンジするのか。増額が見込まれる地方創生交付金を各自治体がどのように活用していくかを予測して、今後訪れる機会に備えておきたいところです。
当社では、官公庁への効果的なアプローチ方法について、伴走型の専門的なアドバイスを行っています。「うちの強みを活かして公共ビジネスに参入する余地はあるのか」、「どういう風に官公庁や自治体と付き合っていけばよいのか」などのご相談がございましたら、ぜひ当社にご連絡ください。
