難しい官公庁営業を制する商習慣とスピード感の攻略法

官公庁営業のスピード感と難しい商習慣を攻略する方法

「官公庁営業は難しい」とよく言われます。市長に会えても受注につながらない、完璧な企画書でも勝てない、自治体職員の判断基準が見えないなど、これらは多くの営業担当者の共通の悩みです。官公庁営業の難しさの本質は、独特の商習慣、特有のスピード感、避けられない価格競争という要素にあります。

民間とは異なるルールや予算サイクル、複雑な意思決定プロセスを理解することが、官公庁営業で成功するための第一歩です。これから、その具体的な対応策と成功への道筋を解説していきます。

官公庁営業における商習慣の違いと対応策

官公庁営業における商習慣の違いと対応策

官公庁営業の難しさの一つに、民間企業とは異なる独特の商習慣があります。これらの違いを理解し、適切に対応することが成功への第一歩となります。

公共調達の基本ルールを押さえよう

官公庁では、公正性・透明性を確保するために、さまざまな調達ルールが存在します。一般競争入札、指名競争入札、随意契約など、案件によって異なる調達方式が採用されています。たとえば、一般競争入札では広く参加者を募り、指名競争入札では発注者が指名した事業者のみが参加できます。随意契約は特定の条件を満たす場合に限り、特定の事業者と直接契約できる方式です。

予算サイクルへの対応が重要

官公庁では年度予算に基づいて事業が計画されるため、予算編成時期や執行期間を意識した提案活動が必要です。多くの自治体では、次年度予算の検討は前年の夏頃から始まり、年末までにほぼ固まります。この時期を逃すと、次の機会は1年後になってしまうことも珍しくありません。

予算サイクルを理解し、情報収集のタイミングや提案活動の時期を適切に設定することで、受注確率は大きく変わってきます。担当部署と日頃から良好な関係を築き、早い段階で情報を得られれば、仕様策定に関わることも可能になります。

意思決定プロセスの複雑さを理解する

民間企業では決裁者が明確で意思決定が比較的早いのに対し、官公庁では複数の部署や決裁者を経る必要があります。稟議制度や合議制の採用により、一つの案件に多くの関係者が関与するため、全体の合意形成に時間がかかります。

このような意思決定の複雑さを理解した上で、根気強く継続的な関係構築を行うことが重要です。単発の訪問や提案ではなく、中長期的な視点での営業活動が求められます。担当者の異動も頻繁にあるため、組織としての関係構築を意識することも大切です。

官公庁の商習慣を理解し、適切な対応を取ることで、「難しい」と言われる官公庁営業も効果的に進められます。

官公庁営業のスピード感と対応戦略

官公庁営業のスピード感と対応戦略

官公庁への営業は、民間企業とは異なるスピード感があります。この独特のリズムを理解し、適切に対応することが成功へのカギとなります。

官公庁の意思決定プロセスは複数の部署や段階を経るため、民間企業に比べて時間がかかることが一般的です。新規提案から採用まで半年、あるいは1年以上かかるケースも珍しくありません。このスピード感の違いは、官公庁営業を難しいと感じる大きな要因の一つです。

年度サイクルを見据えた長期的視点

官公庁の事業計画は年度ごとに組まれ、予算も年度単位で執行されます。たとえば、4月に始まる事業は、前年の夏頃から検討が始まり、秋から冬にかけて予算化され、年明け頃に具体的な調達準備が始まります。この流れを理解せずに営業活動を行うと、ビジネスチャンスを逃してしまいます。

緊急時と通常時のギャップ

通常は慎重に進む官公庁の意思決定ですが、災害対応や緊急施策の場合は驚くほど迅速に動くこともあります。たとえば、大規模災害時や感染症対策など、社会的に緊急性の高い案件では、通常のプロセスを短縮して素早く意思決定が行われます。

このような緊急時こそ、日頃から関係構築ができている企業が声をかけられるチャンスとなります。通常時の丁寧な対応や信頼関係が、緊急時のビジネスにつながるという点も理解しておく必要があります。

担当者の異動サイクルへの対応

官公庁では2年から3年で定期的な人事異動があります。信頼関係を構築した担当者が異動すると、一からやり直しになることも少なくありません。このサイクルも視野に入れた継続的な関係構築が重要です。

複数の担当者と関係を築くことや、組織としての信頼関係構築を心がけることで、人事異動の影響を最小限に抑えられます。また、異動した元担当者が別部署で味方になってくれることもありますので、広く深い関係構築を意識することが大切です。

このような官公庁特有のスピード感を理解し、長期的視点で粘り強く取り組むことが、官公庁営業成功の秘訣です。

「難しい」を克服!官公庁への提案スピードを上げるためのアクション

「官公庁営業が難しい」と感じる理由の一つに、提案から受注までのスピード感の違いがあります。民間企業のようにすぐに意思決定がされないため、「待ち」の時間をいかに有効活用できるかが成功の分かれ道です。ここでは、案件の進捗を速めるために、営業担当者が今すぐできる実践的なアクションを3つご紹介します。

次年度予算に向けた「種まき」を今すぐ行う

■ ポイント1

来年度の予算編成が本格化する前に、自社のサービスが解決できる地域課題やニーズに関する情報提供を積極的に行います。

■ ポイント2

「今期の予算がない」と言われてもすぐに諦めず、「来期の予算で検討していただく」ための布石を打つことが大切です。

提案資料は「自治体目線」でスリム化する

■ ポイント1

長すぎる提案書や専門用語だらけの資料は、関係部署での回覧のスピードを遅らせる原因になります。

■ ポイント2

自治体職員の方が、上司や他部署に説明しやすいよう、「提案の核となるメリット」と「費用対効果」を一枚にまとめた資料を準備しましょう。

複数部署との接点を持ち「情報の孤立」を防ぐ

■ ポイント1

担当者が異動したり、一つの部署で検討が停滞したりしても、別の部署や関係者との接点があれば、情報の流れを止めずに済みます。

■ ポイント2

横断的な課題に関わる提案であれば、関連部署にも積極的に情報提供を行い、組織全体での検討を促しましょう。

これらのアクションで、効率的かつスピーディな提案活動を目指すことができます。

官公庁営業の価格競争を制する戦略

官公庁営業において価格競争は避けて通れない要素です。税金を原資とする公共調達では、公平性・透明性の確保のため、価格による競争が基本となっています。しかし、単純な価格勝負だけではなく、価値提案が重要なケースも多くあります。

官公庁の調達では、最低価格落札方式や総合評価方式など、複数の発注方式があります。価格のみで勝負する最低価格落札方式では、過度な価格競争に陥りやすく、利益確保が難しくなるケースもあります。こうした仕組みを理解した上で、適切な戦略を立てることが重要です。

調達方式による価格競争の違い

官公庁の調達方式によって、価格競争の度合いは大きく異なります。主な調達方式と特徴は以下のとおりです。

■ 最低価格落札方式

仕様を満たす最も安い価格を提示した業者が落札します。この方式では、価格競争が最も激しくなります。

■ 総合評価方式

価格点と技術点の合計で評価されるため、価格だけでなく提案内容の質も重要となります。また、プロポーザル方式や企画競争では、価格以上に提案内容の創造性や実現可能性が重視されます。

適正な価格設定の重要性

過度な安値受注は、品質低下やサービス継続の困難さにつながります。適正な利益を確保できる価格設定を心がけることが重要です。市場価格や過去の落札実績などを調査し、適切な価格帯を把握しておくことが有効です。

また、予定価格(発注者が設定する上限価格)を意識することも大切です。多くの場合、予定価格は公表されませんが、過去の類似案件や市場相場から予測することは可能です。予定価格の8~9割程度が落札価格となるケースも多いため、この範囲を念頭に置いた価格設定が求められます。

価格以外での差別化戦略

価格競争だけでは長期的な成功は難しいため、価格以外での差別化がカギとなります。たとえば、独自の技術やノウハウ、実績や信頼性、アフターサポートの充実など、価格に表れない価値を提案することが重要です。

とくに総合評価方式やプロポーザル方式では、価格点だけでなく技術点も重視されますので、提案書の質や説得力を高めることで、必ずしも最低価格でなくても受注できる可能性が高まります。こうした調達方式を狙って営業活動を行うことも、価格競争を避ける一つの戦略です。

価格競争は避けられないものの、適切な方式選択と価値提案によって、持続可能なビジネスモデルを構築することが可能です。

官公庁営業成功の道筋と実践ポイント

官公庁営業には独特の商習慣、スピード感、価格競争があり、これらを理解し適切に対応することが成功へのカギとなります。公共ビジネスサポート株式会社では、20年以上の経験と120件以上の案件実績をもとに、官公庁営業の「勝ちパターン」構築をサポートしています。年度サイクルを見据えた長期的視点、調達方式に応じた提案戦略、価格以外での差別化など、公共ビジネス特有のノウハウを体系化し、企業の営業力強化を実現しています。

民間企業とは異なる官公庁ビジネスの世界で、社会課題の解決とビジネスの両立を目指す企業をサポートするのが公共ビジネスサポート株式会社の使命です。独自のコンサルティングプログラムでは、公共部門の役割理解から案件情報の収集・分析、提案書作成支援まで幅広くカバーし、公共ビジネス参入や拡大を実現します。官公庁営業でお悩みの企業は、ぜひ一度ご相談ください。

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