「公共ビジネスの着眼点」 地方自治体の人事異動の時期です

毎年3月は自治体職員にとって最も慌ただしい時期と言えます。なぜなら、地方自治体では4月1日に1年で最も大規模な人事異動が行われ、その詳細が3月下旬頃に発表されるからです。

#Yahooニュース 2025.3.18付
大分県職員人事異動2025【特別職、部長級、次長級、課長級の名簿一覧掲載】
https://news.yahoo.co.jp/articles/ee773cb2527acd253adf24a9a5dbce5350c6a636

#FNNプライムオンライン 2025.3.18付
【全掲載】福井県職員(課長級以上)人事異動 対象は1038人、過去10年で2番目の規模
https://www.fnn.jp/articles/-/844322?display=full

専門性の高い国の各省庁とは異なり、都道府県庁や市区町村役場といった地方自治体は、一つの役所の中で様々な分野を取り扱う「総合行政」で組織運営が行われることが特徴のひとつと言えます。

こうした特徴から、職員はキャリアを通して分野を問わず様々な部署を異動することになり、例えば、3月末まで商工分野を担当していた職員が4月からは福祉を担当するなど、異動前後の業務内容に関連性がない人事異動も頻繁に行われます。

このため、公共ビジネスに携わる企業の目線に立つと、懇意にしていた行政の担当者が異動によって自社と全く関わりのない部署に行ってしまい、逆に畑の違う部署から来た担当者が突然カウンターパートになるといったことが起こり得ます。

せっかく築いた行政との関係が人事異動によってリセットされることで、トラブルの発生や受注の取り逃がしに繋がることは絶対に避けたいですよね。

中小企業診断士も、各種制度や施策を通じて自治体職員とコミュニケーションをとる機会は多く、担当職員と気軽に連絡を取れる関係を維持することは円滑に仕事を進めるうえでとても重要と言えます。

このため、自治体職員の人事異動による影響は最小限に留めるよう日ごろから自治体組織との関わり方を工夫しておくことが重要になります。

その方法として、例えば、行政では概ね3~5名程度の「係」単位で業務を行うケースが多いですが、人事異動の際には、事業の継続性に配慮する観点から、同じ係内のメンバーを同時に多数異動させることや、主要な係員とその上司を同時に異動させることを避ける傾向にあります。

こうした点を踏まえて、日ごろから自社の業務に関係する担当者ひとりだけでなく、その同僚・上司など係単位でコミュニケーションを取るよう心掛けることで、担当者が異動したとしても、引き続き組織同士で良好な関係を維持することができます。

また、自社の業務と関りが無くなったとしても、これまでの担当者の異動先を把握し継続的に関係を維持していくことも非常に重要です。

なぜなら、自治体職員同士は長年の勤務の中で多くの職員と仕事を共にするため、職員同士の人脈も年数が経てば経つほど拡大していきます。そのため、ある職員との接点を利用して「知り合いの知り合い」という立ち位置で別の職員とコミュニケーションを始めることでスムーズな関係構築に繋げることができるからです。。

また、長期的に見た場合、自治体職員は、担当者クラスで携わったことのある政策分野に幹部職員として戻ってくるケースも多いため、小さな縁でも大切にしておくことで、新たなビジネスチャンスに繋がっていくかもしれません。

無機質な存在に見られがちな行政組織ですが、その内部を動かしているのはあくまで血の通った人間です。決して個人的な繋がりから不正に仕事を得ていくということではなく、職員との個人的な関係を継続的に構築していくことで、本来得るべき情報やビジネスチャンスを絶対に逃さない体制を整えることができるということを心に留めて、この3月の異動の時期に、コミュニケーションを始めてみてはいかがでしょうか。

 

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