「公共ビジネスの着眼点」 東京都知事選、小池都知事3期目の政策の特徴は
7月7日に開票となった東京都知事選は、現職の小池百合子都知事が3選を決めました。
#日本経済新聞 2024.7/8付
「東京都知事選、小池氏126万票差の大勝 2期8年実績評価」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC0482O0U4A700C2000000/
小池氏は、立候補者が過去最多の56人と乱立するなか、自民・公明、地域政党の都民ファーストの会の支持を受けての当選となりました。
対抗馬には立憲民主党や共産党が支持する蓮舫氏、SNSを中心に支持を集めた元安芸高田市長の石丸伸二氏もありました。
しかし結果は小池氏が291万票を獲得。2番手の石丸伸二氏との差も126万票と、フタを空けてみれば快勝といえる結果でした。投票率も60.62%と高く、その注目の高さが伺えました。
さて、今回の都知事選を経て、東京都の政策はどう変化するでしょうか?
やはり現職の続投だと既存の政策がそのまま続くでしょうか?
そのあたりも含め、今回の選挙で小池氏が掲げた公約や、これまでの取組みを確認しておきましょう。
小池都知事の1期目(2016年~2020年)は、大きな公約として「7つのゼロ」を掲げました。
(①待機児童ゼロ、②介護離職ゼロ、③残業ゼロ、④都道電柱ゼロ、⑤満員電車ゼロ、⑥多摩格差ゼロ、⑦ペット殺処分ゼロ)
これについては達成・改善に進んでいる公約もありますし、あまり進んでいないように見える公約もあります。
ただ1期目はどんな候補者でも同じですが、都の内情を知らずに公約を掲げることになります。ですので、よくよく話を聞くと色々な事情で達成が難しいものが出てくるのは、ある意味仕方のないことでもあります。
迎えた2期目(2020年~2024年)では、大きな公約として「東京大改革2.0」を掲げ、「①稼ぐ東京、②人が輝く東京、③行財政改革・構造改革」の3点を強調しました。
2期目の実績を挙げるとすると、東京iCDC(東京感染症対策センター)の創設などのコロナ対策、コロナ禍での東京五輪の実現、子ども1人につき月5000円を支給する都の独自事業「018サポート」、高校の授業料実質無償化、などが挙げられます。
そして今回の3期目(2024年~)では、「東京大改革3.0」を掲げ、「①都民の命と生活を守る、②多様な人が輝く東京、③安心で活力あふれるまちへ」の3つの観点で進めていくようです。
基本的には、過去の政策を継承しているものの、細かいところで強調している部分が違うようです。
小池都氏のオフィシャルサイトから政策を見てみましょう。
#小池百合子オフィシャルサイト
https://www.yuriko.or.jp/policy
例えば、今回は「防災・防衛」という点が強調されていることが分かりますし、2期目では大きな観点であった「行財政改革・構造改革」は削除されています。人への支援については、依然として重視していることが今回の特徴といえそうです。
下記に具体的な公約を転記しました。
東京都と接点のある事業者は、自社の事業と関連するキーワードが含まれているかどうか、一度確認してみてください。
各項目の上位ほど、力を入れたい政策と考えてよいでしょう。
| 《東京大改革3.0 主要項目》 ①首都防衛 あらゆる危機から都民の命と生活を守る ・木造住宅密集地域の解消促進 ・新たな調節池の整備 ・無電柱化の推進 ・マンション防災の強化 ・シェルター整備 ・避難所改革の推進 ・富士山噴火を想定した降灰対策 ・グリーンインフラでまちの保水力を上げる ②多様なひとが輝く東京へ 〇子育て・教育にお金がかからない東京へ ・無痛分娩費用も新たに助成、妊娠・出産の経済的負担を軽減 ・保育の無償化、第一子まで拡大 ・学童保育の待機児童ゼロへ ・学童対策充実 ・子育て支援世帯の家賃負担軽減 ・所得制限なし高校授業料実質無償化 ・大学生向け奨学金制度の創設 〇多様な学びの支援と世界で羽ばたくグローバル人材の育成 ・東京都版海外留学制度 ・フリースクール、不登校特例校設置 ・インクルーシブ教育の推進 ・先生たちの負担の軽減 ・支援員の配置強化 〇どんなひとも自分らしく生きるインクルーシブな東京へ ・女性活躍基本条例の制定 ・年収の壁を超える対策 ・ソーシャルファームを加速 ・障がい児を育てる家庭への支援 ・公共交通機関のバリアフリー化 ・就労困難者雇用促進 ・ペット殺処分ゼロ 〇あんしんな医療介護と社会参加でいきいきChoju社会へ ・都独自の認知症専門病院創設 ・在宅医療介護支援強化 ・おひとりさま高齢者の支援 ・特養やグループホームなどの更なる整備 ・東京都版介護職員昇給制度 ・70歳までの就業促進 ・シニアの社会参加応援 ・あらゆるケアラーの支援 ③安心で、活力あふれるまちへ 〇もっと生活しやすく、安全で快適なまちへ ・物価高騰対策 ・防犯カメラの設置拡大、防犯機器助成拡充 ・暑さ対策 ・脱炭素の加速 ・東京のみどりを守り活かす「グリーンビズ」 ・「アフォーダブル住宅」の推進 ・都立公園改革の推進 ・シルバーパスの改善 ・農林水産業の振興 〇観光・芸術・文化世界一の都市の実現 ・水の都の再生 ・江戸・東京の文化を世界遺産に ・ナイトタイムエコノミーの推進 ・観光振興 ・新たな文化芸術祭の開催 ・2025年世界陸上・デフリンピックの成功 ・世界に誇れるスポーツ拠点の形成 〇企業や働くひとを支え、新たなイノベーションが生まれるまちへ ・中小企業の賃上げ ・事業継承・再生支援 ・スタートアップ支援 ・男女賃金格差の解消 ・カスハラ条例の制定 ・非正規雇用の処遇改善 ・クリエイターの才能を育むプロ養成機関の創設 〇多摩・島しょの魅力を磨き、もっと便利で暮らしやすく ・市町村総合交付金の充実 ・島しょ振興策 ・多摩モノレールの延伸、シルバーパス対象に ・鉄道駅へのホームドア設置 〇デジタルで生活をもっと便利に、行政をもっと身近に ・行政手続きの100%デジタル化 ・TOKYOダッシュボード(仮称)による行政データの可視化 ・TOKYOスーパーアプリの開発 ・公共Wi-Fiの更なる整備 ・都内区市町村のデジタル化を支援する「GovTech東京」の開発力強化 |
なお、これらの政策は、実は既に東京都の令和6年度予算に計上されているものが多く含まれています。
現職候補は、選挙を見据え、先に予算の裏付けのある事業を作っておくことができるので、具体的で現実的な政策を訴えることができます。机上の空論になりがちな新人候補よりも現職が有利、と言われる理由の1つでもあります。
このように選挙を契機に、その自治体のトップの考えが明示され、有権者だけでなく公共ビジネスに関わる我々にも分かるようになります。営業の参考にしていきたいですね。
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